新春ウォーク最後を飾るのは、小江戸三都めぐりハイキングスタンプラリー第3弾 JR東日本・東武鉄道・西武鉄道共同企画「葵ゆかりの城下町
蔵の街 小江戸川越七福神めぐり」です。
明日から第一級の寒波が襲来するという本日の「川越駅」頭は、嵐の前の静けさか意外と暖かく、家族連れも含め老若男女が三々五々集結してきます。
狭い川越駅コンコースでの鉄道会社3社の合同出発式が終了すると、スタートの合図が切られました。数百人と思われる集団はコースに沿って一斉に大移動を始めますが、私はフェイントをかけて後からゆっくり続くことにします。
まずは毘沙門天が祀られる「妙善寺」へ向かいます。毘沙門天は、仏教の守護神で多聞天とも呼ばれていて、心には勇気決断、暮らしには財という、物心ともどもの福を施す神様です。我々衆生にとっては心強い神であり、そのご利益を乞うザックを背負った参詣の人の波で身動きが取れないほどでした。
次は寿老人を祀る「天然寺」です。寿老人は中国の神様で、富財、子宝、諸病平癒とそのご利益は多岐に渡っていますが、何といっても長寿の神として信仰されており、高齢の方々が長蛇の列をなしていたのが印象的でした。
その後、慈覚大師円仁により創建され、島崎藤村の義母加藤みきの墓がある「中院」。国の重要文化財で日光、久能山と並ぶ三大東照宮の一つ「仙波東照宮」を経由して大黒天が祀られる「喜多院」へ向かいます。大黒天は古代インドの闇黒の神、仏教での戦闘神で、くろ(黒)くなってまめ(魔滅)に働いて拝むと大福利益が得られると言われています。
「喜多院」は寛永十五年(1638)の火災後の再建時には、江戸城内の「徳川家光誕生の間」が書院、「春日局化粧の間」が客殿として移築されており、現在も多くの文化財が残り、正月3日の初大師・だるま市、五百羅漢などの見どころや行事も数多く、川越大師として親しまれています。本日もウォーキングイベント以外の参詣の方々も多くかなり賑わっていました。
そこから歩いて僅か3分。うっかり見落としてしまいそうな場所に恵比寿天が祀られる「成田山川越別院」があります。写真まで撮っておきながらそれとは気づかず通り過ぎてしまっていました(笑)。
その後、大田道真、道灌父子が築いた「川越城本丸御殿」。「市立博物館・美術館」、「川越氷川神社」を経由し、蔵造りの家並みで有名な一番街を抜けて福禄寿が祀られる「蓮馨寺(れんけいじ)」へ向かいます。福禄寿は、幸福、高禄、長寿の三徳を具えていて、これを人に与え、方位除災、商売繁昌、延寿福楽等のご利益を現わされる方であると言われています。
「蓮馨寺(れんけいじ)」からは踵を返してこれも有名な「菓子屋横丁」へと向かいます。「菓子屋横丁」の歴史は古く、江戸中期に2、3軒の駄菓子屋があったのが、日清戦争後、台湾から砂糖が大量に輸入されると、饅頭、羊羹、アメなどが作られるようになって店舗数も増えていったそうです。、大正12年(1923)に関東大震災が起こると、被害を受けた東京の神田、浅草、錦糸町の問屋に代わって駄菓子を製造供給していたということです。最盛期より減ったとは言え、現在も10数件の駄菓子屋が軒を連ねており、さながら古き良き時代にタイムスリップしたようです。私も一軒の歴史を感じさせる店に入り、店内のセピア色の世界にしばし浸っていました。
さあ、残りは二寺。布袋尊が祀られる「見立寺」と弁財天が祀られる「妙昌寺」です。距離的には大したウォーキングコースではありませんでしたが、如何せん七福神以外にも見学する場所が多くて疲れが溜まり始めました。両神様には申し訳ありませんでしたが、ここいらでスピードアップさせていただいて、軽い会釈だけでの参詣になったことをどうかお許し願います(笑)。
後は淡々とゴールの西武新宿線「本川越駅」を目指すだけです。本川越駅ではゴールのチェックを受け記念品の駄菓子セットを頂くと自由散会となりました。まだ時間が早かったので、私はそのまま再びスタート地点のJR・東武東上線「川越駅」まで足を延ばして帰りの電車に乗ることにしたのでした。