JR東日本と富士急行との合同ウォーク
「3万株のクマガイソウと富士の眺望美しい三ツ峠散策」
年月日 2005/05/07(土)
天候 雨のち晴れ
場所 富士急三つ峠駅
ルート 三つ峠駅→(10分)→桂川公園→(15分)→町民グラウンド→(10分)→クマガイソウ群生地→(20分)→浅間神社→(40分)→町営三つ峠グリーンセンター→(25分)→三つ峠駅                                   総距離7` 所要時間2時間
その他 群生地は個人篤志家の敷地です。ハイキングマナーを守って見学しましょう。

詳細地図はこちらから(国土地理院提供)


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スライドショウの開始
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富士急「三つ峠駅」に着いたのが8時21分。雨の中スタッフは準備に余念がありません。
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冷たい雨が受付テントを叩いています。
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スタートすると様々な花が。まずは「フジ」の花がお出迎えです。
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小さな花が丸くかたまって咲いています。「コデマリ」の花です。
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旗竿のようなまっすぐな茎にびっしりと花を付けます。「ハタザオキキョウ」の花です。
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これは分かりません。園芸品種なのでしょうか。
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海岸近くに分布する「センダイハギ」が何故か内陸部に。
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「ミヤコワスレ」の花です。順徳上皇が佐渡に流された時、この花をみて「都のことを忘れることができる」と言ったのが名前の由来です。
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「桂川」沿いに目的地を目指します。まだ霧雨が降っています。
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「エンドウ豆」の花が可愛かったので。
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「馬酔木(アセビ)」かと思いましたが「ドウダンツツジ」でした。よく似ています。
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「クマガイソウ」群生地入口です。対面のテントの下で靴裏の消毒を施してから入山します。
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若干の山登りを体感した後、いよいよ「クマガイソウ」の群生地に入ります。
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こんなに間近に見るのは初めてです。
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野生種はほぼ見られなくなったそうです。
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面白い葉と花の形ですね。
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華麗な花ではありませんが、一生懸命咲いている姿は健気です。
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絶滅危惧種とは寂しい限りです。涙雨でしょうか。
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全て同じ方向を向いて咲くのも面白いものです。
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これらの花を採取し生業にしている業者の精神にはお金の花に見えるのでしょうか。
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篤志家の手に守られて、元気な姿をまた見せて欲しいものです。来年は5万本になっていることを。
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葉の形からして「コミヤマスミレ」のようです。
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「ホトケノザ」です。春の七草の「ほとけのざ」と同じ名前ですが、こちらは葉が仏の蓮華座に似ていることからついた名前の野草(雑草)です。
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途中人懐っこい猫ちゃんが擦り寄ってきました。
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見事な藤棚ですが、賑やか過ぎて。
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「浅間神社」に立ち寄りお参りを。
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富士忍野村で見られるような湧水がありました。
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道端に咲いていても、これは園芸品種の「オダマキ」のようです。
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雨は上がりましたが、水墨画のような風景が美しいです。
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対面は「三つ峠山」。まだまだ厚い雲の中です。
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「三つ峠グリーンセンター」に到着です。左側が「三つ峠山」への登山道となっています。
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「三つ峠山」への登山案内図です。誇張されてるとは言えこの急斜面。絶句です。
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センター正面玄関前で一休み。この小父さんは始終自転車で回っていました。地元の方でしょうか。
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「ハナミズキ」が華麗でした。ガスっている「三つ峠山」を背景に。
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「三つ峠山」のガスがだんだん取れてきました。
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「センター」から「三つ峠山」登山道方面に若干足を延ばすと「シバザクラ」の群生がありました。
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真ん中にある星型の白い線が蛍の光を連想させることから「ホタルカズラ」と呼ばれているつる性植物です。
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「三つ峠」。一説には全山に湧水が豊富なことから、「水峠」からきた呼び名であるとも言われているそうな。
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空は晴れ渡ってきました。「三つ峠山」山頂も間も無く姿を現すことでしょう。
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最初は気がつきませんでした。ふと右手を見やるとそこには・・・!!!。
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雨で空気が澄んで、輪郭もくっきり姿を見せてくれています。
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期待してなかった「富士山」だけに、感動ものでした。
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全てのガスも消え去り、くっきりと「三つ峠山」山頂が。
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ゴール受付です。電車の関係でスタート間隔が開いているのでのんびりとしています。
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駅前のお土産屋さんも出店を出して商売中です。
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さあ、帰ることとしましょうか。何故かしらカメラが傾いています。
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2両編成の車窓からカーブに差し掛かった風景を撮ってみました。
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さあ、「大月駅」が見えてきました。戦国時代武田氏に属した小山田氏の城郭「岩殿城跡」がある「岩殿山」です。駅前にいきなりの岩山でビックリします。

 昨夜からの雨が止みません。天気予報は全国的な荒天を伝えています。外はかなり気温が下がっています。しかし日中の予報では夏日になるとのこと。早朝から雨具の下のウェアに頭を悩まします。今日はJR東日本と富士急行のジョイントイベント「3万株のクマガイソウと富士の眺望美しい三ツ峠散策」です。

 防寒、防水の完全武装で東京駅から中央線特別快速「高尾」行きに飛び乗ります。車窓の風景は雨に煙る山並みです。「高尾」から中央線各駅停車「大月」行きに乗り換え、更に「大月」からは富士急「河口湖」行きに乗り換え、目的の「三つ峠駅」には受付より1時間早い8時半に到着しました。

 駅頭は冷たい雨がまだシトシトと降っています。駅近くのコンビニで若干お腹を満たして9時半にスタートです。頻繁に列車が停車する駅でもないためか、はたまたこの雨のせいか、案外閑散としたスタートです。雨具のフードをかぶり、カメラに付け焼刃的な防水対策を施しコースを進みます。当然「富士山」どころか、「三つ峠山」も霞んで何も見えません。遠望には恵まれませんが、歩くほどに色とりどりの草花が目に飛び込んで来ます。最近になく春の草花が豊富で、カメラ親父の歩みを鈍らせます。草花との対話を楽しみつつ歩くうちに、雨脚も弱くなり空が明るくなってきました。首筋や背中には幾筋もの汗が流れ始めています。まずは完全武装の雨具を脱ぎ、カメラの防水カバーを外します。

 コースは至って単調で大きなアップダウンも無く、約30分程度で目的の「クマガイソウ」の群生地入口まで来てしまいました。折りしも「クマガイソウ祭り」の真っ最中で、地元の商店や郵便局が露店の準備に余念が無い様子で、この地域の「クマガイソウ」に寄せる期待が「三つ峠山」に寄せるそれと双璧をなすものであることが良く分かります。

 「クマガイソウ」は、日本の野生ランとしては最大の大きさで、平家物語の熊谷次郎直実が背負った※母衣(ほろ)が、袋状の唇弁(しんべん)に似ているのが名前の由来ということです。山野草ブームにつれて次々と自生地からは絶滅し、環境庁の絶滅危惧U類に位置づけられています。ここ倉見山の群生地は、池田さんと仰る篤志家が、昭和45年から「この花を絶滅から守り、後世に引き継ぐ為に・・・」という趣旨から私有地で栽培を始められ、現在3万株を数えるまでの群生地となりました。現在では池田さん亡き後、奥様を中心に親戚や友人で管理されており、我々ハイカーや愛好家にも無料で開放されています。

 その為管理はかなり厳しく、入山する前に外部からの花の種や雑菌の浸入を防ぐため靴の裏を消毒させられますし、盗掘を防ぐため常時所有者が監視している姿は奇妙ですが、種の保存を守るためには致し方の無いことであることは大いに理解できますし賛成です。

 その「クマガイソウ」は面白い形をしています。大きな二枚の葉は扇円形で向き合っており、放射状の縦皺も目立ちます。花は袋状に紅紫色の脈が入っており、直径5p以上はあるでしょうか見事です。また、群生しているところを見ると、全ての花が同じ方向を向いて咲いているのも面白いものです。

 ここで約15分程度カメラを向け、健気な花たちとの会話を終えると若干の心付けを置いて、自生地の「クマガイソウ」達が心無い人々に出会わないことを切に願いつつその場を後にしたのでした。

 雨もすっかり上がり、薄日も射してきました。後はUターンポイントである「三つ峠グリーンセンター」を目指して道端の花達と会話をしながら足を進めます。歩くこと40分くらいでその施設に到着します。ここからは秀峰「三つ峠山」への登山口の一つが延びています。「三つ峠山」はそのうち必ず登攀してみたい山の一つでもあり、垂涎の眼差しで登山道を仰ぎ見ました。

 センターで一服煙草を燻らせ、完全武装のもう一枚のミドルウエアも脱ぎ捨てるとUターンに転じます。天気は一気に回復し、暑いくらいの陽光が射してきました。先程まで姿を隠していた「三つ峠山」も徐々に全容を現し始めました。道すがらふと気が付くと、何と言うことでしょう。全く期待していなかったあの「富士山」が目の前にドーンと威風堂々な姿を現しているではありませんか。カメラ親父の血が騒いだのは言わずもがなです。

 センターから歩くこと25分でまた「三つ峠駅」の受付にゴールです。朝の雨の陰鬱な雰囲気とは打って変わって、明るい日差しの下露店も開かれ、のんびりとしたローカル駅の風情でした。私は駅頭の食堂で当地名物の「うどん」を注文し、屋外の日差しの下で食した後、14時52分の電車を待って帰路に付いたのでした。

 利益優先のこの国の環境、観光行政は果たして何時まで篤志家の手にそれを委ねるのでしょうか。利権争いに現を抜かしている政治家は、果たして何処まで自然環境の保護に本腰を入れるのでしょうか。おざなりの対応で茶を濁しても、自然環境の破壊は進むばかりです。輪を掛けて自然環境の破壊を生業にしている輩がいるなど言語道断。憂うべき哉日本。

 ※ 「母衣(ほろ)」とは日本の軍装の一種です。背中に長い布をたわませたもので、馬を駆けると風をはらんで膨らみ、背後に長く引いて背面からの流れ矢を防ぐ役割を果たすもので、大鎧とともに馬を駆り弓を主武器とする当時の武士の戦闘法に適した軍装でした。

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