「尾瀬沼」夜行日帰りトレッキング
年月日 2005/06/25(土)
天候 快晴
場所 福島県桧枝岐村沼山峠
ルート 沼山峠→(40分)→小淵沢田代分岐→(50分)→小淵沢田代→(40分)→尾瀬沼ビジターセンター→(20分)→三平下→(60分)→沼尻→(60分)→尾瀬沼ビジターセンター→(20分)→小淵沢田代分岐→(50分)→沼山峠                                   総距離15` 所要時間6時間40分
その他 初級者コースと銘打った本コースですが、小淵沢田代を巡るだけで難しさが一変します。積雪期や雨が多い時期は要注意です。

尾瀬沼コースの地図はこちらから(東武鉄道提供)


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スライドショウの開始
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マイカー規制のためここ「七入」でシャトルバスに乗り換えます。まだ4時半です。
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「沼山峠休憩所」で身支度を整えます。
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「大江湿原」を目指してまずは滑り易い地道を登ります。
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ところどころにまだ残雪が残っています。
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「エンレイソウ」(延齢草)の花です。根が薬用にされたのが名前の由来では、との説があります。
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「大江湿原」目指して快調な木道の下り坂です。復路ではこれが恨めしい上り坂に。
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「ズミ」の花かと思いましたが、チョッと違います。再調査中です。
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ここが「沼山峠」です。尾瀬沼が一望できます。
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「イチリンソウ」に似てますが、「ミツバオウレン」のようです。
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お馴染み「ミズバショウ」です。場所により花は朽ち巨大な葉と化しているものもありました。
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「大江湿原」です。標高1882mの「大江山」と「燧ケ岳」にはさまれ、細長い広がりを見せる湿原です。
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湿地や水辺に群生する「リュウキンカ」です。
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朝日と朝靄に煙る「大江湿原」です。神々しい気持ちになります。
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「小淵沢田代分岐」です。こちら方面に行く人は私を除いて皆無でした。
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「イワカガミ」(岩鏡)の花です。主に岩場に育つのが名前の由来。高山植物の仲間です。
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高山の湿原に生える「タテヤマリンドウ」(立山竜胆)です。
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この「ミズバショウ」は巨大な草に化そうとしています。そろそろ終わりに近づいています。
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難儀して登った「小淵沢田代」の湿原です。人っ子一人いない静寂の世界です。
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艶やかな「イワカガミ」の花です。「小淵沢田代」の湿原はさながらこの赤い花のオンステージのようです。
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代表的な高山植物の「チングルマ」(稚児車)です。
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もう一つ鮮やかな青色で美を競っているのがこの「タテヤマリンドウ」です。
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艶やかなのに何時もうつむき加減のこの花。何を恥ずかしがっているのでしょうか。
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「尾瀬沼」の畔にある有名な「長蔵小屋」です。山小屋には珍しく閑散期には個室を提供してくれます。
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尾瀬の自然をよりよく知ってもらおうと、各種イベントを開催している「尾瀬沼ビジターセンター」です。
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「尾瀬沼ビジターセンター」からの雪渓の残る「燧ヶ岳(ひうちがたけ)」です。
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「尾瀬沼」と「ミズバショウ」。空気、水、緑、全てが凝縮されています。
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「尾瀬沼」と「燧ヶ岳」。静かなたたずまいです。
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「イチリンソウ」の花がひっそりと。
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東北一の高さを誇る「燧ケ岳(ひうちがたけ)」です。2356mあります。
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「ミネザクラ」の花です。亜高山帯に咲くサクラで、高標高地では日本で一番遅く咲くサクラになります。
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日本には野生種だけでも60種の「スミレ」が存在します。これは「オオバタチツボスミレ」のようです。
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「リュウキンカ」の花は至るところで見られました。
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「ミズバショウ」と共に有名な尾瀬の「ミツガシワ」です。氷河時代の生き残りの植物と言われています。
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「尾瀬沼休憩所」脇の標識。さあこれから「沼尻」を目指します。
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「キュウリグサ」の花です。葉がキュウリの匂いがする3〜5_の小さな花です。
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「カラマツソウ」の密生花です。花が「落葉松」の細い葉にそっくりなことから付いた名前です。
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「尾瀬沼」南岸からの「燧ヶ岳」と逆さ「燧ヶ岳」です。
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「ショウジョウバカマ」の花です。
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眼前に「燧ヶ岳」を眺めながら「小沼湿原」を歩きます。
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「尾瀬沼」の最北西端「沼尻休憩所」です。手前にも人が溢れかえっています。
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「沼尻」からの「尾瀬沼」です。正面に「檜高山」の姿が見えます。
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「沼尻」の「チングルマ」の群生です。花が終わった後の羽毛のような実を見てみたいものです。
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「チングルマ」の黄と「イワカガミ」の朱が緑に映えています。
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「燧ヶ岳」に登る方々でしょうか。湿原には池塘(ちとう)が見えます。
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「浅湖湿原」です。対面に小さな屋根が見え、「尾瀬沼」1周も間も無く終わりです。
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再び「大江湿原」に戻ってきました。やはり植物の種類が豊富です。
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やっと見つけた開花した「ニッコウキスゲ」です。
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「ワタスゲ」の群生です。花は雪解けと同時期くらいに咲き終え、種子を包む綿毛が花のように見えるだけです。
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今来た「浅湖湿原」方向を眺めます。「燧ヶ岳」があんなに小さくなりました。
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「ハクサンチドリ」の花です。花の形が千鳥の飛翔する姿に似ていることから付けられた名前です。
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さあ、再び「大江湿原」を縦断して「沼山峠」へ戻ります。
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「沼山峠」のシャトルバスの中から。さあ、また来年来るからね。

 約1ヶ月ぶりの山歩きです。前回のトレッキング以降仕事が忙しく、土日出勤だったり、肝心なPCが故障したりで、山登りやHPに対するテンションがかなり低くなり、このようにずれ込んでしまいました。

 今回は特に興味の沸く鉄道事業者系イベントも見当たらず、誕生日前日の24日、自分へのご褒美として夜行日帰りバスで行く「尾瀬」の花を愛でるトレッキングに参加してみることにしました。「尾瀬」には過去2回訪れています。1回目は「大清水」から「三平峠」を抜け「尾瀬沼」を目指すコースでしたが、季節外れの大雪に行く手を阻まれ途中で断念した思い出が。2回目は「鳩待峠」から「尾瀬ヶ原」を1周するコースでしたが、コースを誤り思わぬ長時間のトレッキングになった思い出が。そして今回が3回目。「沼山峠」から「小淵沢田代」を経由し「尾瀬沼」を1周するコースにチャレンジです。

 新宿の都庁前から満席の登山者を乗せたバスは一路福島県桧枝岐村(ひのえまたむら)「沼山峠」へと向かいます。22時30分に出発したバスは「沼山峠」手前の「七入(なないり)」に4時30分に到着。ここからはマイカー規制のため低公害シャトルバスに乗り換え、スタート地点の「沼山峠休憩所」には5時半と予定より1時間も早く到着しました。

 車中でコンビニおにぎりによる朝食は済ませていたので、身支度を整えるとすぐさま行動開始です。梅雨真っ只中と言うのに空は抜けるような青空で既に真夏のそれです。早朝は肌寒いくらいの気温も時間とともに徐々に上がっていきそうな気配がします。

 「沼山峠休憩所」横のスタート地点からはいきなり上りが始まります。左程急勾配ではありませんが、寝不足の体には堪えます。道端には所々雪が残っていて、ぬかるんだ部分もそこかしこに。「沼山峠」までの上りで一汗掻くと木道は「大江湿原」へと下っていきます。

 目の前に開けた「大江湿原」は「尾瀬ヶ原」ほど広くはありませんが、その湿原植物の種類は「尾瀬」一を誇るほどで、歩くほどに「ミズバショウ」「リュウキンカ」「イワカガミ」「ワタスゲ」「タテヤマリンドウ」などの高山湿原植物が迎えてくれます。朝露に濡れ朝日に照らされた湿原は神々しいほどの美しさで、腰を下ろして目線を湿原の位置と同じくすると更にその素晴らしさが実感できます。

 ほとんどのトレッカーが「大江湿原」を直進し「尾瀬沼」を目指す中、私は「大江湿原」分岐点から左折して「小淵沢田代」を目指します。コースはほとんど整備されておらず、木道も僅かで、北東斜面にはかなりの残雪も残っており、道は悲惨なほどにぬかるんでいます。コースアウトを心配しながらも、森林の中の斜面を50分間登り詰めると目の前が急に開け、小さな湿原が姿を現します。鬱蒼と茂る森林に囲まれてひっそりと存在する湿原で、周りを見渡しても人っ子一人見当たりません。至る所に咲き誇る「イワカガミ」「タテヤマリンドウ」の群生を独り占めにしたような誇らしげな気分です。

 暫し「小淵沢田代」で静かな時間を過ごすと、踵を返して今度は「尾瀬沼」を目指してかなりの急勾配を上り下りします。地道は倒木や大きく根を露出した大木や苔むした岩が多く、巨木を跨いで足を取られたり滑って転倒する場面もしばしばです。かなり難儀するうちに約40分で「尾瀬沼」湖畔の「尾瀬沼ビジターセンター」に到着します。ここは「尾瀬沼」コースの基点でもあり、多くのトレッカーがひと時の休息を楽しんでいます。目の前には静かなたたずまいの「尾瀬沼」と頂上直下の雪渓が美しい「燧ヶ岳(ひうちがたけ)」の素晴らしい眺望が広がっています。ここで暫し喉の渇きを癒し煙草を燻らせた後「尾瀬沼」周回コースに腰を上げます。

 まずは「尾瀬沼」の東岸を「三平下」を目指して進みます。右手には「尾瀬沼」と「燧ヶ岳」が見え隠れしながら私の後を付いてきます。相変わらず花の種類は豊富で「ミズバショウ」「リュウキンカ」「ミツガシワ」「タテヤマリンドウ」などの花が目を楽しませてくれます。花と風景に目を奪われている内に約20分で「三平下」の「尾瀬沼休憩所」に到着します。

 更に「尾瀬沼」の最北西端「沼尻」を目指して足を進めますが、案外起伏のある木道で、気温の上昇も相俟って一汗も二汗も掻くことになります。おまけにここいらの木道は耐用年数の10年を経過したのでしょうか、朽ち果て崩れ落ちたり沼側に傾いたりしたものが多く、且つ単線のため対面歩行者とすれ違うのにも難儀するようなスリリングな歩行となります。そして「ヒメシャクナゲ」や「タテヤマリンドウ」が咲き乱れる「小沼湿原」を抜けると「沼尻」です。

 「沼尻」は「尾瀬ヶ原」「燧ヶ岳」方面への分岐点でもあるため、「沼尻休憩所」は多くのトレッカーの休憩場所となっています。時間はまだ10時半ですが、既に4時間半も歩いていたので、私もここいらで昼食とすることにします。目の前には大きさを増した「燧ヶ岳」が鎮座しています。「チングルマ」や「イワカガミ」の群生が咲き乱れる沼畔での、地元「まいたけおにぎり弁当」はどんなに豪華な食事にも勝るとも劣らない美味しい素朴な味でした。

 15分ほどで食事と喫煙を終えると、今度は踵を返し「尾瀬沼」の北岸を「尾瀬沼ビジターセンター」目指して戻ります。折からの快晴に更に気温は上昇し、蓄積した疲労が足の動きを鈍らせます。熱射病でしょうか、途中気分が優れず、幾度と無く小休止を入れて水分を補給しつつ老体に鞭打って歩きます。しかし、「浅湖(あさみ)湿原」を過ぎ、「尾瀬沼ビジターセンター」の屋根が対岸に遠望できるようになってくると急に力が沸いてきました。現金なものです。

 「浅湖湿原」を抜けると再び往路歩いた「大江湿原」に戻ります。ここでは、まだ蕾のはずの「ニッコウキスゲ」や「ワタスゲ」の大群生、更に「ハクサンチドリ」の花にまで対面することが出来、コース終盤のハイライトと相成りました。

 「尾瀬沼ビジターセンター」へ戻ると、後は「沼山峠」目指して帰路に付くだけです。周りには私を含めかなりの数のトレッカー達が最後の歩きに備えて休息を取っていました。

 最後の歩きは「大江湿原」を縦断し「沼山峠休憩所」までの約1時間のトレッキングです。「大江湿原」の木道部分は平坦ですが、「小淵沢田代分岐」から先は往路とは反対に長距離の上り坂になります。疲労困憊の体に鞭打って「沼山峠休憩所」に着いたのが午後1時前です。雪崩れ込むように休憩所の冷たい飲み物に手を出したのは私ひとりじゃなかったようです。

 小休止の後「沼山峠」から会津バスで復路の大型バスが待つ「七入」へ戻り、更に午後3時40分、東京・横浜に向けての大型バスは「尾瀬」を後にしたのでした。途中のドライブインで買い込んだ「旅の友」が相変わらず私の疲れを癒してくれたのは言わずもがなです。

 今回の「尾瀬沼」夜行日帰りトレッキングは天候にも恵まれ、心配された寒さも無く半袖のTシャツで通すことが出来ました。また、昨年の「尾瀬ヶ原」より300メートルほど標高が高いため、最盛期を過ぎたとは言え「ミズバショウ」や様々な高山湿原植物に巡り会うことができました。しかし「小淵沢田代」への分岐ルートは、急勾配でぬかるんだ山道、雪の残る斜面、川と化した山道、倒木に行く手を阻まれる山道など障害も多いコースで、初級者コースと銘打っていても油断はできないことを身をもって体感できたのも事実です。来年の誕生日はより慎重に、できれば1泊くらいで更に上級コースにチャレンジしてみたいと想いを巡らせているところです。

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