栂池高原夜行日帰りトレッキング
年月日 2005/09/20(月)
天候
場所 長野県北安曇郡小谷村栂池高原
ルート 栂池高原駅→(20分)→栂の森駅・栂大門駅→(5分)→栂池自然園駅→(5分)→ビジターセンター→(15分)→風穴→(20分)→楠川→(25分)→浮島湿原→(20分)→モウセン池→(20分)→展望湿原→(35分)→浮島湿原→(25分)→楠川→(20分)→風穴→(15分)→ビジターセンター→(5分)→栂池自然園駅→(5分)→栂大門駅・栂の森駅→(20分)→栂池高原駅                                    歩行距離5.5`、所要時間3時間30分(休憩時間含まず)
その他 尾瀬ヶ原の七分の一の小さな湿原ですが、凝縮された高層湿原の様子がつぶさに観察でき、四季の草花や白馬三山との対話が楽しめる静かなトレッキングコースです。「浮島湿原」から「展望湿原」の往復は急坂あり、やせ尾根ありで暑い汗や冷や汗をかく変化があって面白いコースです。

詳細地図はこちら(小谷村提供)


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スライドショウの開始
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アルピコ・ハイランドバスの「さわやか信州号」です。右端に見えるのがWさんです。
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栂池ゴンドラリフト・イブ号の出発地点「栂池高原駅」です。
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今日の山頂の気温は10℃。湿度が高かったせいか、涼しいとは余り感じませんでした。
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「アキギリ」のようです。葉がキリに似ていて秋に咲くのでアキギリと呼ばれます。
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「アカツメクサ」です。いたる所で見かけるので説明は要りませんね。
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「マツムシソウ」です。もう時期は終わったと思っていましたが。
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そろそろ栗の実も色づき始める季節になりました。
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ゴンドラリフト駅から頂上付近を眺めますが、ご覧のようにガスっています。
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ゴンドラリフトの中から小谷村を眺めます。雲海が綺麗です。
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ロープウェイ上から。正面は小蓮華岳、左は白馬岳だと思われます。
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栂池自然園入口の案内図です。大粒の雨が降っています。
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ミズバショウ湿原からの眺めです。杓子岳と白馬岳が遠望できます。
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「ミヤマトリカブト」の花はいたる所で見られました。
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「イワショウブ」の実です。花の頃の白い姿とは別人のようです。
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「ミヤマニワトコ」の実です。これも花の時代は白い色ですが、実はご覧のように真っ赤です。
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栂池自然園の北西方向の山、乗鞍岳からは幾筋もの滝が流れ落ちていました。
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栂池自然園遊歩道を示す道標です。道標が無かったら「どうひよう」なんちゃって。
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「風穴」です。今日は気温が低かったので、余りその恩恵は感じられませんでした。
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「ワタスゲ湿原」です。ワタスゲの姿は既に無く、「イワショウブ」や「チングルマ」の実が多く見かけられました。
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またまた雨が激しくなり、レンズ交換もままなりません。
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「クロマメノキ」、別名「アサマブドウ」の実です。甘くて食べられ、ジャムや果実酒や砂糖漬けにされます。
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これから「楠川」を渡ります。木道はご覧のようにツルツルです。
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「楠川」の流れです。この雨で水かさが増えてくることでしょう。
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S君は黙々と先を急ぎます。さすが若い。
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「浮島湿原」の休憩所にてS君と。Wさんに撮っていただきました。
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「浮島湿原」からコースは南岸、北岸二つのコースに分かれます。私たちは右側の北岸コースへ。
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「浮島湿原」から「モウセン池」の途中に張り出した展望木道がありました。そこからの俯瞰図です。
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徐々に高度を上げていきます。「展望湿原」はまだまだです。
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途中の「モウセン池」で一休み。モウセンゴケってこんなのだったかなァ。。。。
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悪戦苦闘の末、やっと「展望湿原」に到達です。
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晴れていれば、ここから白馬連山が見えるはずなのですが。
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正面に杓子岳、右手に白馬岳が見えます。雨の日にここまで見えれば上等です。
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白馬岳です。左の杓子岳との間に見えるのが有名な大雪渓です。
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ここでも記念に一枚。雨具の蒸し暑さと雨で下着はずぶ濡れです。
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さあ、下りに転じます。S君が先導してくれます。
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「オオシラビソ」です。亜高山帯に群生する常緑高木で別名をアオモリトドマツと言います。ご覧のように大型で柄がない紫色のマツカサを付けます。
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展望木道から白馬大雪渓を。最近雪崩による死亡事故があったのもここです。
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やせ尾根から「雁股池」を望みます。本当はそんな余裕も無く、足がすくんでいます。
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ご覧のように注意を促す標識が。
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無事やせ尾根を下りきり、「浮島湿原」への木道を歩きます。前を歩いているのはWさんです。
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時折薄日が射す天気になってきました。湿原の紅葉が鮮やかです。山は小蓮華岳から白馬大池方面だと思われます。
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明るい日差しの下での湿原の印象はまた格別です。
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再び「イワショウブ」の実です。小さいながらも湿原の中で自分を主張していました。
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再び「浮島湿原」の分岐地点です。ここいらで小休止して吹き出る汗を拭います。
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高山植物「チングルマ」の実です。花の頃のチングルマをご存知の方は、その変貌振りに唖然とされることでしょう。
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「ミズバショウ湿原」を抜けると赤い屋根の「栂池ヒュッテ」が見えてきます。
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11時半ゴールです。皆さん頑張りました。
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赤い屋根の隣が「栂池ビジターセンター」、その隣がトイレです。
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昼食はここ「栂池山荘」で取ることにしました。
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二人とも500円の「かき揚げ丼」で。私は中生をプラスして。
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帰路の途中、バスは黒部アルペンルートの基点「扇沢」で予約客待ちをします。左上の高峰は「爺ヶ岳」でしょうか。
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なるほど、気にかけませんでしたが隣はもう富山県なんですね。

 この日の夜行日帰り高速バス「さわやか信州号」はガラガラに空いていました。一人で二席を使い、余裕の山行きとなりました。遅めの夏休み初日の今回は長野県安曇郡小谷村(おたりむら)栂池(つがいけ)高原をトレッキングします。

 バスは総勢18人の乗客を乗せ、22時30分に新宿を出発し一路「栂池」を目指します。私は今回は社員のS君を引き連れての山行きです。バスは途中2箇所のドライブインでトイレ休憩を取り、「穂高神社」「大町温泉郷」「扇沢」「白馬駅前」で乗客を降ろしながら走ります。その度に車中がだんだんと寂しくなっていきます。そして終点の「栂池」まで残ったのは私とS君それに初老の男性の3人だけです。この初老の男性の名前を敢えてここではWさんと呼ばせていただきます。

 「栂池高原」に到着したのが6時半です。ゴンドラの運行開始の8時までまだ1時間半もあります。我々はコンビニおにぎりで食事をしたり、周辺を散策をしたり、3人で雑談したりで時間を潰します。麓から仰ぎ見る山々はかなりの雨が降っているのでしょう、霞んでほとんど姿を見ることができません。

 8時になるとゴンドラが動き始めます。「栂池高原駅」からゴンドラリフト・イヴで「栂の森駅」まで20分。歩いて直ぐの「栂大門駅」からロープウェイで「栂池自然園駅」まで5分で到着します。ロープウェイのガイドの話によると本格的な紅葉は10日後くらいかららしく、眼下の広葉樹も部分的に色づいている程度です。「栂大門駅」では小降りだった雨は「栂池自然園」に到着する頃から本降りになり始め、それぞれが雨合羽を着てのトレッキングスタートとなります。

 「栂池自然園」は標高1880メートル、総面積100ヘクタール、一周約5.5キロの湿原で、遊歩道が設けられ、気軽に楽しめるトレッキングコースとなっています。また、四季折々の高山植物や北アルプス白馬三山の雄大な姿が眺められることで有名です。一方、同じ湿原で有名な「尾瀬ヶ原」は標高1400メートル、総面積760ヘクタールと規模こそかなり違いますが、どうしてどうして「栂池自然園」には高層湿原の特徴が凝縮された面白みがあります。

 コースはまず「ミズバショウ湿原」に入ります。当然この季節「ミズバショウ」など何処にも見当たりません。その代わりに「ミヤマトリカブト」の毒々しい紫の花や朽ち果てた「ニッコウキスゲ」の残骸が数多く見られます。コースは夏でも冷風が噴出している「風穴」を左手に見ながら「ワタスゲ湿原」に入ります。種子を包む綿毛が花のように見え高原と湿原には無くてはならない「ワタスゲ」ですが、やはりこの季節には朽ち果ててしまっています。その代わり高層湿原の花として有名な白い「イワショウブ」の花が、この季節赤い実をつけて印象的です。「楠川」(くすがわ)を渡ると木道部分は途切れ途切れになり、傾斜のある山道に入っていきます。次の「浮島湿原」までは僅か700メートルの区間ですが、アップダウンがきつくかなり難儀します。「浮島湿原」の休憩ポイントでは車中でご一緒だったWさんと写真を撮り合うなどしてしばし歓談します。その後コース終点までこのWさんも付かず離れず我々と同一歩調で歩いていらっしゃいました。

 道は更に険しさを増します。「浮島湿原」から次の「展望湿原」までの1.1キロ45分の道程は長くはありませんが、栂の木やダケカンバの木立の中のそれこそ胸突き八丁の急坂を息を切らせながら登ります。途中「モウセン池」で一休みし、更に一登りした後、このコースのハイライト「展望湿原」に到着します。晴れていれば「白馬鑓ヶ岳」(2903メートル)、「杓子岳」(2812メートル)、「」白馬岳」(2932メートル)の白馬三山と、「小蓮華岳」(2769メートル)、「乗鞍岳」(2436メートル)が一望の下に見渡され、それはそれは見事な景観らしいのです。今日は生憎の雨模様で雲がなかなか切れませんが、それでも時折全貌を現してくれる瞬間があり、この大パノラマに甚く感動します。当初は体力が無いからと「展望湿原」行きを渋っていたWさんですが、この景観にかなり感動された様子で、誘って良かったと思える時間でした。

 コースはここからはほぼ下りになりますが、生半可な下りではありません。尾根道の両側が切り立ったいわゆるやせ尾根で足元を見ると目が眩みます。おまけに濡れた傾いた木道を下るのですから、滑って一歩足を踏み外せば一巻の終わりです。眼下には「雁股池」の美しい眺望が広がっていますが、腰が引け足がすくみ、正直それどころではありません。後で聞いた話ですが、元気なS君でさえもかなり緊張した下りだったようです。

 やせ尾根を下りきり、再び木道は「浮島湿原」に入ります。天気は気まぐれに時折太陽が顔を覗かせるようになり、気温も上がってきたようです。湿原には随所にあの高山植物で有名な「チングルマ」の実が姿を現します。花が終わった後のおしべが長く伸び、まるで羽毛のようで、あの黄色い可憐な花からは想像も付かない変身振りです。

 コースは元来た道を戻るようになります。「楠川」「ワタスゲ湿原」「風穴」「ミズバショウ湿原」を再び巡るとスタートから2時間半後にビジターセンターにゴールします。急坂を登り、やせ尾根を下り、雨中の撮影に難儀し、しかし、落ち着きを取り戻しつつある湿原の風を感じて、大量の汗はやはりかきましたが、秋の穏やかな高原の空気を胸いっぱい吸って気持ちの良いトレッキングとなりました。

 その後、山荘で昼食を取り、ロープウェイ、ゴンドラで下山した後、バスの出発時間まで温泉の好きな下戸のS君は日帰り温泉へ。私は一人反省会をやるべく飲み屋を探しましたが何もありません。仕方なく土産物店の軒先で長野名物お焼きをつまみに缶ビールで時間を潰していました。

 午後2時、帰りの「さわやか信州号」が出発します。乗客は相変わらず3人だけです。途中の「扇沢」「大町」「穂高神社」から予約客が乗り込んできますが、それでも総勢19名です。往路と同じく一人二席を独占して新宿を目指します。下戸のS君、Wさんは相変わらず就寝中のことが多く、一人反省会の二次会を車中で開いていた私でした。

 いずれにしても、Wさんお世話になりました。次回また何処かでお目にかかることが出来れば嬉しく思います。そしてS君ありがとう。次回までに上戸になっていることを期待していますよ。

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