年月日 2005/10/08(土) 天候 暴風雨 場所 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷新穂高 ルート しらかば平→(ロープウェイ10分)→西穂高口→(90分)→西穂山荘→(90分)→西穂独評→(90分)→西穂山荘→(90分)→西穂高口→(ロープウェイ10分)→しらかば平 歩行距離1.9`、所要時間3時間00分(休憩時間含まず) その他 余りもの荒天で参考になるデータは何もありません。「西穂山荘」折り返しでも標高差300bの急坂は厳しいものがあります。なお、上記赤字部分は荒天のため中止した行程です。
やり始めて彼此4年になる山登りの経験の中で、今回ほどの荒天の中の山登りは初めての経験でした。今回は直行バスによる運行が今年最後になる新穂高ルート夜行日帰り高速バスで、北アルプス「西穂高岳」(2909メートル)手前の「西穂高独評」(2701メートル)のピークにチャレンジしてみることにしました。
連休前の都庁地下駐車場には色とりどりの高速バスが待機し、連休を各地の山々で過そうとする人々で溢れかえっています。私も仕事を7時には切り上げ、家に帰って着替えると、あたふたと都庁地下駐車場へ駆けつけます。前回の栂池ルートの空席だらけのバスとは異なり、今回は連休前ということも手伝ってか、乗客33名とほぼ満席状態で22時30分にバスは発車しました。
早朝5時半。予定より1時間も早く目的地入口の「しらかば平」鍋平駐車場(1308メートル)にバスは到着しました。降り立ったのは私一人だけです。空はどんよりとした低い雲が垂れ込め薄暗く、左程気温は低くありませんが、寒々としていて何となく侘しいものです。ここから「西穂高口駅」行きの新穂高ロープウェイの運行は、この時期始発が8時45分と遅くまだ3時間も先です。ロープウェイ乗り場前にはマイカーで深夜駆けつけた方でしょうか、先客が一人陣取っているだけで、まだ周辺はシーンと静まり返っています。
付近を散策したり、ベンチで横になったりで過すこと3時間余。やっとのことでロープウェイが動き始めます。あれほど静まり返っていたロープウェイ乗り場はいつしか黒山の人だかりです。121人乗りのロープウェイの2階部分に乗り込むと、下界を眺めながら「西穂高口駅」を目指しますが、いつしか濃い霧が出てきて、周りの眺望どころか一寸先も見えない状況になってきました。
ロープウェイは10分で「西穂高口駅」(2156メートル)に到着します。気温は12℃。左程寒くはありませんが、大粒の雨が降り出しました。ロープウェイ駅はここで引き返す観光客組とここから先を目指す登山家組で溢れ返っています。私は雨具に着替え、登山道に向かいます。ぬかるんだ山道はアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げていきます。
最初の目的地は標高2385メートルの「西穂山荘」です。登山道は山荘に近づくにつれ斜度を増し、ますます激しさを増した雨の中を汗と雨でびしょ濡れになりながら登り続けます。カメラにはビニール袋を被せていますが、それでも雨が浸み込み、精密機器だけにかなり心配な状況になってきました。「西穂高口駅」から山荘までは1.9キロとたいした距離ではありませんが、それでも休みながらゆっくり登って90分で「西穂山荘」に到着します。
「西穂山荘」からは晴れていれば周辺の北アルプスの勇壮な山並みが見えるはずなのですが、当然の如く激しく降る雨に遮られて何一つ見ることは出来ません。おまけに風も強くなってきて、横殴りの雨に変ってきました。山荘内は避難する登山客、休憩する登山客でかなり混雑しています。私はずぶ濡れになった衣類をまず着替え、「トン汁」(500円)を注文して冷えた体を温めます。カメラの調子もおかしいようです。ピントが合わず、シャッターが切れないといった不具合が生じ始めました。
この分ではどう考えても天気の回復は望み薄です。当初の計画ではここから更に高度を上げ、標高2701メートルの「西穂独評」まで登る予定にしていましたが、この風雨では岩場で滑落する危険性が大であり、登っても何も見えない状況では登る意味がないので、急遽予定を変更して、30分ほど「西穂山荘」で休憩をした後、下山に転じることにしました。
風雨は更に激しさを増し、上りでは水溜り程度だった登山道がいつしか濁流が流れる沢に変貌しています。地盤が弱ければ何時地滑りが起きないとも限りません。おまけに雷鳴も轟き始めました。ストックを握る指も雨の冷たさでかじかんできました。下りは撮影も放棄し休憩もそこそこに濁流の中を一気に「西穂高口駅」まで下り降りたのでした。
着替えた衣類は汗と雨で再びびしょ濡れです。しかし、もう着替えはありません。一部の衣類は濡れたままで帰路につきますが、汗が引いて寒く風邪の症状が出始めました。急ぎロープウェイで「しらかば平駅」へ戻ると、駅内にあるレストランで熱燗を数本頂いてバスの出発時間まで体を温めていたのでした。
帰りは15時15分発の高速バスです。往路では満席状態だったバスですが、復路はたったの6人です。一人2席以上を陣取って、新宿までの5時間を居眠りをしながらのんびりと疲れを癒したのでした。
今回は素晴らしい北アルプスの眺望を眺めることが出来ず残念な結果になってしまいましたが、自然の脅威を身を以って体験でき、高山登りの教訓として今後生かせるような気がしています。それに、やはり雨水がカメラに入り込んだのでしょう、デジカメ画像も大半がピンボケや露光不足になってしまっていたのは非常に残念なことでした。ただ、半日扇風機でカメラに風を当てて乾燥させたところ、ショートもせず無事再稼動したのでホッと一息ついたところです。
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