房総の奇山「鋸山」を登る
年月日 2006/01/08(日)
天候 晴れ
場所 千葉県安房郡鋸南町鋸山
ルート 金谷港→(15分)→車力道→(40分)→洞窟→(5分)→石切場→(30分)→展望台→(5分)→地獄のぞき→(30分)→大仏→(バス10分)→保田駅                                   歩行距離不明、所要時間2時間15分(休憩時間含まず)
その他 ロープウェイも運行していますが325bの低山です。切り立った岩場を下から眺めつつ、車力の苦労に思いを馳せながら、房州石の山道をゆっくり登った方が面白いと思います。

詳細地図はこちらから(国土地理院地図閲覧サービス提供)


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スライドショウの開始
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久里浜港から出航です。朝焼けが綺麗でした。
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三浦半島が見えます。穏やかな海でした。
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金谷港に到着です。さ、山歩きのスタートです。
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道に迷った挙句、やっと登山道を見つけました。
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右側の階段が「鋸山登山道」。左側の舗装道路が「車力道」です。私は左側へ(^^;)。
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途中こんな場所もありましたが、何も光っていませんでした。
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眼前に鋸の歯のような山容の鋸山が。
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うっすらと雪化粧をした道もありました。
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車力道のいわれが書いてあります。恐らく言語に尽くせない大変な仕事だったことでしょう。
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房州石の表面には轍の跡が。恐らく凄惨な事故も起ったことでしょう。
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石切場跡に到着しました。登山口から30分くらいです。
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垂直に切り立った壁です。良くこのように切れるものです。
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最上部で切り出した岩はどうやって下ろすのか気になります。
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正面にあの「地獄のぞき」が見えます。あのオーバーハングしている場所が展望台です。
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真下から眺めると圧倒的な大きさで壁がのしかかってきます。
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地元の人の話によると、近年植物が繁茂し、以前の刺々しさが無くなってきたそうです。
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登山新道から東京湾を眺めます。
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ワックスをかけたような艶やかな実。アオキの実のようです。
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鋸山登山道と合流すると、ご覧のような急坂が待っていました。
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日本寺北口に到着です。百尺観音様が出迎えてくれました。
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鋸山頂上から眺めた「地獄のぞき」の岩場です。あの岩場が崩れたらと思うと...。
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遥か彼方に富士山が遠望できました。
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鋸南町保田地区が手に取るように眺められます。左側の乳房のように見える山は富山(とみさん)です。
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「地獄のぞき」の岩場から撮っています。怖くて腰が引けているのです(^^;)。
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下山に転じると、千五百羅漢の石像がいたるところに。
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千五百羅漢を造った大野甚五郎の墓です。
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日本一の大きさを誇る日本寺の大仏です。近くによるとその大きさが実感できます。
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東口管理所を出て山歩き終了です。
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さあ、ここからマイクロを待って「ばんや」に昼食に行くことにしましょう。
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「ばんや」の内部です。この1時間後、立錐の余地も無いほどの猛烈な混雑になりました。
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左が「アジの天ぷら」。右が「イカのかき揚げ」です。アジの天ぷらは少し食べてしまっていますが、これが1人前なのです。
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「イカの一本刺」です。塩辛まで付いています。これも一人前。
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金谷港に戻って伊豆方面を眺めます。
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帰りのフェリーの様子です。陸上交通機関と違ってのんびり過せます。
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35分しかないもので、この程度しか飲めません(^^;)。
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お酒のつまみの大半はこのカモメさんたちにあげちゃいました(笑)。

 暦の上では小寒を過ぎ、寒さの一番厳しい大寒へと時は移ろうとしています。ご多聞に漏れず、年末から続いている厳しい寒さもピークに差し掛かっているようです。余りもの寒さに1ヵ月位中断していた山歩きを新春の訪れと共に再開することにします。今日は当初のスケジュールを変更して房総の奇山「鋸山(のこぎりやま)」を歩いてみることにしました。

 始発電車で三浦半島「久里浜港」へと向かいます。JR内房線で「浜金谷駅」を目指しても良かったのですが、別のアングルから房総を眺めるのも良しと思い、今回は東京湾フェーリーで「久里浜港」から「金谷港」を目指します。

 「久里浜港」から「金谷港」まで35分500円の船旅です。空は綺麗に晴れ渡り、海は凪いで、太平洋から昇る新年の朝日が煌々と船内を照らしています。思っていたほど気温は低くなく、厚手のダウンジャケットが荷物になるような気配がします。

 デッキで1〜2本煙草を燻らせているうちにフェリーは「金谷港」に到着します。乗船券売り場で鋸山ハイキングマップを手に入れると、早速ウォーキング&ハイキングをスタートさせます。

 まずは国道127号線に沿って「保田」方面に向かいます。ところが案外アバウトな地図で登山道に行き着くまで幾度と無く道に迷います。それでも「はまべラーメン店」の三叉路を左に折れ、「テンゴク堂薬局」の角を右に曲がってどうにか本線に入ることができました。ここからは道なりに進めば良いらしいのですが、それでも長い石段が続く「鋸山登山道コース」と舗装道路の「車力道コース」とに途中から分かれています。私は恥ずかしながら楽そうな「車力道コース」を進むことにします。

 「車力道コース」は確かに途中までは何の変哲もない舗装道路ですが、山道に入るともちろん勾配がきつくなってきます。それでもそんなに長くは続かない房州石が敷かれたそれなりに勾配のある山道です。ところで、この車力道とは鋸山の頂上部付近で切り出された石を運び出した道のことで、房州石を木製の荷車に載せ、急傾斜の道をブレーキをかけながら下りたので、石の重みで道の表面に荷車の轍が残っていますし、石の壁にはブレーキ痕が深く抉られています。この石を運搬したのは「車力」と呼ばれる女性達だったそうで、空の荷車を背負って頂上まで上り、1日3往復もする大変な重労働だったようです。この石切も自然保護規制強化により昭和57年に幕を閉じ、今はハイキングコースとして開放されているのです。

 鋸山は標高329bの低山です。石を切り出した跡がギザギザで鋸の刃に似ていることからこの名前が付いたのらしいのですが、その跡が今や観光コースとなっていて、おまけにその南東斜面は「乾坤山日本寺(けんこんざんにほんじ)」の境内ともなっているのです。

 車力道を登りきると、広大な石切り場跡があり、見上げるほどの垂直な壁の列に圧倒されます。往時の石切職人たちの苦労が偲ばれる大パノラマです。更に登山新道をトラバースすると数分で当初の「鋸山登山道」と合流します。「鋸山登山道」は最初の予想通りかなりの急勾配です。切り立った垂直の壁に付けられた道ですから至極当然のことでしょう。それでも息を弾ませながら10分程度で「日本寺北口管理所」に到着します。

 管理所で拝観料600円を支払い境内に入ると、いきなり左側の崖に見上げるほどの百尺観音像が彫られておりその巨大さに圧倒されます。石像を過ぎると道は鋸山への最後の登りになります。山頂は展望台になっていて、鋸山を有名にしたオーバーハングしたあの「地獄のぞき」の岩場があります。私はどちらかと言えば高所恐怖症ですが、思い切ってその崖に立ってみました。足元は見えないのですが、この真下が何も無い空間と思うだけで腰が引け足が竦み、どうしようもない恐怖で早々にその場を離れます。この調子では高山の岩場なんて登れないですね〜(^^;)。

 頂上で一休みすると「保田」方面へ下ることにします。下り斜面は一面「日本寺」の境内となっていて、上総桜井の名匠大野甚五郎が刻んだ1553体もの羅漢が随所の奇岩霊洞に安置されており、世界一と言われる羅漢霊場の規模に驚かされます。更に下り、大仏前参道を進むと総丈31.05bの日本一の大きさを誇る日本寺大仏が鎮座しています。実に奈良東大寺の大仏の1.7倍という巨大なものです。日本寺そのものは昭和14年に登山者の失火で国宝も含め全てが灰燼に帰したそうで、いたるところに寄進のお願いが掲げられていました。

 そうこうするうちに2時間半程度で鋸山を踏破し終え後は帰るだけです。しかし、時はお昼間近、獲れたての美味しい魚が安く食べられるので有名な保田漁協直営食事処「ばんや」に向かうことにします。店に着くと「スルメイカ一本刺」「イカのかき揚げ」「アジの天ぷら」「イナダの煮付け」+芋焼酎(ボトル)を注文し腹ごしらえです。新鮮で美味しいのは当然ながら、圧倒されるのはその量と料金です。これだけ注文しても3000円程度(飲み物を除く)。都内で食べたら果たして幾ら取られるのでしょう。もちろん全てを平らげることはできませんでしたが、ちゃんとプラスチック容器を頂き詰め替えて持ち帰ったのでご安心ください。今回は何となく「山ある記」ならぬ「食べある記」になってしまってしまったことを反省しているところです(笑)。

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