年月日 2006/04/01(土) 天候 晴れ 場所 埼玉県秩父市横瀬町芦ヶ久保 ルート 芦ヶ久保駅→(50分)→山の花道→(30分)→芦ヶ久保駅→西武秩父駅(御花畑駅)→武州日野駅→(5分)→弟富士カタクリ園→(5分)→武州日野駅 歩行距離(不明)、所要時間1時間30分(休憩時間含まず) その他 芦ヶ久保山の花道は残念ながらカタクリの芽吹きはかなり遅れていました。その代わりアズマイチゲの群生は見事でした。急遽下山して足を延ばした武州日野駅からの弟富士カタクリ園は満開の一歩手前。正に大群生です。同じ秩父でどうしてこんなに差が出るのでしょうか。
通常であればこの時期、西武鉄道さんは芦ヶ久保駅からのカタクリ鑑賞ハイキングを企画されるのですが、今年はどういう訳か、「桜」と「芝桜」に力を入れてらっしゃるようで、カタクリは何と勿体無くも蚊帳の外におかれています。ということで、今日はカタクリを愛でに一人で山の花道を歩いてみることにします。
池袋駅から特急ちちぶ5号で一旦終点西武秩父駅に出て、折り返し普通電車で2駅手前の芦ヶ久保駅に戻ります。イベントウォークでは無いために駅前は閑散としていますが、それでも山歩きの好きな方々がちらほらと電車から降り立ちます。
山の花道のある日向山は標高こそ633bと低山ですが、かなりの急勾配があることを経験上知っていたので、駅頭でウィンドブレーカーを脱ぎ、首にタオルを巻き、帽子をバンダナに替え、カメラをチェストバッグに入れ、ストックを突いて万全の体勢でいざ出陣です。
国道299号線を渡り恵比寿屋商店の信号を右に入ると緩やかな上りの舗装道路歩きになります。しかし、徐々に傾斜がきつくなり、温かい天気と相俟って大量の汗が噴出しTシャツを濡らし始めます。集落センターを過ぎ傾斜が緩やかになってきた辺りからいきなりコースは右に折れ、更に斜度を増した山道に入っていきます。このとっつきが一番辛いところかも知れません。私も痛めている左ひざに鈍痛が走ります。しかし、この山道歩きもそうは長く続かず、ものの15分程度で山の花道のある舗装道路に飛び出します。
山の花道は日向山北斜面の約8fの雑木林で、カタクリなどの山野草の自生地が約3fわたって点在します。中でも紅紫の可憐な花をつける「カタクリ」の群生はとりわけ見事で、遊歩道に沿って森の中を散策すれば、アズマイチゲ、ヒトリシズカ、ニリンソウ、イカリソウ、ミヤマエンレイソウなど、季節ごとに山の花たちと出会うことができます。
確かに昨年4月9日に訪れた時はそういう状況でした。ところが今回は花の姿が見当たらないのです。アズマイチゲは群を成しているのですが、肝心のカタクリが咲いていないのです。園内を隈なく探してもせいぜい10数株程度でしょうか。大半がまだ小さな固い蕾で、予想外れの状況にかなり落ち込んでしまいます。先週の「秩父長瀞カタクリの郷」ではそれなりに花を付けていたのに、同じ秩父でもこんなに違うものなのですね。陽光の余り射さない北斜面のここ山の花道のカタクリの開花は例年より2週間は遅れているようで、来週、再来週あたりからが見頃と思われます。
これでは欲求不満で腹の虫が収まりません。急遽計画を練り直します。現在の時間(10時30分)に下山の時間を加算し、まだ余裕があるとの判断のもとに別の自生地を目指すべく急ぎ下山に転じます。
芦ヶ久保駅に戻ると電車の待ち時間ももどかしく西武秩父駅を経由して御花畑駅に向かいます。御花畑駅でもかなり待たされますがそれでも12時15分には秩父鉄道武州日野駅に到着します。ここにもう一つのカタクリの自生地「弟富士(おとふじ)カタクリ園」があるのです。
弟富士カタクリ園は駅のすぐ裏手、弟富士山(386b)の麓にあります。弟富士遊歩道に入ると日当たりの良い雑木林の斜面にいきなりの大群生が迎えてくれます。まだ満開とまではいきませんが、それでも薄紫の絨毯を敷き詰めたようで何とも華やかです。個々のカタクリ達は決して傲慢ではありませんが、それぞれが気高く自分を主張しつつも慎ましやかに咲き誇っています。訪れる人も左程多くなく、ゆっくりとカメラを向け逢瀬を楽しむことができます。美人薄命のたとえ通り、この満開のカタクリ達も後2〜3週で再び深く長い眠りに付くことでしょう。彼此30分程度カタクリ達と戯れたでしょうか、欲求不満もどうやら収まり、再び来春の逢瀬を約して13時4分の電車で武州日野駅を後にしたのでした。
欲求不満は収まったものの時はお昼時、あちらこちら歩き回ってお腹の虫も泣き出しました。ここ3回ほど昼食のお世話になっている西武秩父駅前のラーメン店に入り、チューハイと野菜炒めを注文して店主と暫し談笑します。ラーメン店には似つかわしくない「マグロの山かけ」のお通しが何ともさっぱりしていて美味しく、チューハイを3杯もお替りして、良い気持ちで車中の人となった私でした。
余談ですが、店主との雑談中に出た話で、石灰石の採掘でズタズタに切り刻まれている武甲山の行く末のことです。石灰石を含有している地層は北側斜面のみなので、将来的には山を南北に二分し北側が全く無いような奇妙な格好の山容になるとのこと。名峰武甲山も地元の利のために健気に身を挺して頑張っているのですね。自然環境に影響が無ければ良いのですが。
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